背中や腰の上部が痛むことはよくあります。
その多くは背筋の張りや挫傷、ヘルニアなど、骨や筋肉、神経を傷めて痛みになっているのですが、なかには内臓の疾患によって痛みが出ている場合があります。
そこで今回は背中や腰の上部の痛みを伴うお腹周りの疾患をまとめてみました。症状はその疾患の疑いがあるとき現れやすいものを書いています。必ずしもすべての症状が現れるというものではありません。
・胃炎、神経性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん
【症状】
背中の左側の痛み、腹部（胃のあたり、みぞおち）の痛み、腹痛は空腹時に大きく、食事をすると治まる、胸焼け、胸や胃のむかつき、吐き気・嘔吐・げっぷ、重症時は吐血・下血
。胃がんは50～60代の男性に多い。
・食道炎、逆流性食道炎
【症状】胸のあたりの不快感・胸焼け、みぞおちや胸部の痛み、食べ物を飲み込む時の喉から胸のあたりの痛み、食事中や横になった時などに胃酸の逆流を感じる、空腹時でもお腹が張っている感じ（膨満感）がある、げっぷがたくさん出て吐き気がする
・腎盂炎、腎盂腎炎、腎結石、尿管結石、腎臓がん
【症状】発熱・悪寒・ふるえ・吐き気・頭痛など、風邪に似た症状（腎盂腎炎）、腰～下腹部（みぞおち）～わき腹あたりの痛み、血尿がでる（腎結石、腎臓がん）、頻尿、残尿感（腎盂腎炎）、腎盂腎炎は女性に多い。腎結石は２０～４０代の男性に多い。腎臓がんは男性に多い。
・肝炎、急性肝炎、肝臓がん
【症状】背中の右側の痛み、黄疸が
でる、発熱・食欲不振・吐き気・嘔吐・腹痛など、風邪に似た症状
・膵炎、膵臓がん
【症状】・背中の左側の痛み、黄疸
がでる（膵臓がん）
、みぞおちから左脇腹上部にかけての痛み（食事をすると強まり、絶食をすると軽くなる）、吐き気、嘔吐、下痢、便秘
・胆石症、胆のう炎、胆のうがん、胆管がん
【症状】
・背中の右側の痛み、黄疸
がでる、吐き気、嘔吐、下腹部（みぞおち）から右わき腹上部にかけての激しい痛み（右肩、右背中まで響くことも）、尿の色が濃くなる、白い便が出る（胆石症）、下血
（胆嚢がん）
・腸閉塞、腸捻転
【症状】へそまわりから腹部全体にかけて激しく傷んだり、楽になったりを繰り返す、オナラや便が出ず（出にくく）、お腹がふくれる、便秘、吐き気、嘔吐
・子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、子宮頸がん
【症状】・月経異常≪月経血の量が異常に増え、大きな血の塊がでる「過多月経」（子宮筋腫）、生理時以外の出血「不正出血」（子宮筋腫、子宮頸がん）、月経痛が強い、おりものが増える≫、下腹部の痛みや不快感、腰痛、お腹のふくれ、貧血、性交時の痛みや出血
この他風邪やインフルエンザなどでも背部に痛みがでることがあります。
背中や腰の痛みに加えて上記に該当する症状が複数ある方は１度医療機関を受診することをお勧めします。
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