暗闇で50メートル先の物を見分けられる「暗視目薬」が米国の科学団体によって開発されました。
開発したのは「Science for Masses」で、専門家ではなく一般の人々がより科学を利用できるようにするために研究を進めている独立団体です。
目薬は「Ce6」(Chlorin e6)と呼ばれる物質とインシュリン、生理食塩水でできています。Ce6は深海魚などが持っていることで知られ、がんの治療などにも使われているようです。
この暗視目薬をテストしたところ、1時間程度で効果が現れ、暗闇の中10メートル離れた場所に表示した記号を当てるテストで高い正答率を出し、さらに森の中で50メートル離れた先の人を見分けることができたそうです。
その効果はしばらく続き、睡眠後の朝には元に戻っており、それから20日後も特に影響はなかったそうです。
物体を見る人の目の細胞は、「桿体細胞」と「錐体細胞」があります。「桿体細胞」は
明暗について感度が高く形を認識します。、「錐体細胞」は主に
色を認識します。暗闇では「桿体細胞」が主に働いて物体を認識するので、
暗視目薬は「桿体細胞」の働きを高めるのではないかとされています。
この暗視間薬が実用化するのは、副作用や使用方法などの実験がまだまだ必要なようです。
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